せっかくの夏休みに、旅ってヤツがしてみたい。
18歳の僕はそう考えました。
地元では、高卒で、
就職して働く方々も沢山おられるじゃないですか。
そんなニンゲン達から見たら、
夏休みを、2ヶ月間も、もらえるわけはないんです。
休みが与えられる、学生の身分って、
めちゃめちゃ貴重だと思いましたし、
折角なら、行ったことないところに行ってみようと。
日々学んでいる場所を、
一旦離れて、僕の未だ知らない場所で、
日常を過ごしている人々が、
どんな街に住んで、どんな暮らしをしているか。
全国津々浦々の土地やニンゲンを、
実際にこの目で観てみたいと思い立ったのです。
事前準備も大してしないまま、
道路地図を購入して、リュックサックを背中に背負って、
3万円で買った、安いマウンテンバイクと共に、
人生初の旅がいよいよスタートします。
2001年8月1日 午前5時に、
アパートを出発しました。
吉野家で、
大学の友達と朝ご飯を食べながら、
ひっそり壮行式を行い、
東京都多摩市から、ひっそりチャリを漕ぎ始めたわけです。
1日目はいきなり箱根越え!
山中で両足つって、早速ベソかきました笑
先が思いやられるというか、
これまだ始まったばかりなのに、俺大丈夫か、という悲壮感に包まれました。
それでも今更引き返すことなんて出来ません。
前を向いて進むしかないんです。
初日の勢いを借りて、
約110キロ先の静岡県沼津市に辿り着きます。
まず向かったのがお寺さん。
図々しくも泊めて頂こうと、地図で調べた寺に向かい、ピンポンを鳴らす。
1軒目は断られましたが、2軒目で承諾を頂きました。
しかも、うな重が食べれるという特典付き!
峠を二つ越えて、100キロ以上漕いで来た私からしたら、
より格別なお食事でした。有り難い。
早朝5時に起床し、
お掃除を1時間ほど行わせて頂き、
お寺さんを後にしました。
2日目はただひたすら、
静岡の道を、地を這うように漕いでいました。
静岡はとっても広い笑
何処まで行っても静岡は続いている笑
そして140キロ近く漕ぎ、浜松までたどり着きます。
その日は旅館で泊まりました。
ちなみに、このチャリ旅で、
一番気に入った都道府県は、静岡でした。
静岡の持つおおらかさ。
温暖で、工業商業どちらもシゴトが豊富で、
人々がその利益を享受して、おおらかに生きている。
本当にバランスの良いところだなと、感じました。
3日目は、名古屋郊外に住んでいる、
高校時代の友達のアパートに泊まりました。
このころから、徐々に疲労感が出てきます。
起床して、まずお尻が激烈に痛い。
シートに座っているだけでもしんどい。
三日坊主ってのは、
こういう経験則からきてるのかと、マジで思いましたね。
しかしながら、今更やめることなんて出来ません。
これは自分の肉体と精神を鍛える、
ある種のトレーニングなんだからと、
自分に言い聞かせて、4日目に向かうことになります。
4日目。
峠をいくつか越えて、
滋賀県の土山町と言う場所までたどり着きます。
到着したときは、もう真っ暗で、コンビニもない。
人生初の野宿を覚悟しました。
しかし運の良いことに、
そこで出逢った、おばあちゃん達のお一人が、
兄ちゃんウチ泊まっていき!と声をかけて頂いて、
その言葉に甘えさせて泊まらせて頂くことに。
1年後に、日本一周の旅で再会することになるんですが、
その時の私をみて、汗にまみれて、汚い格好して、
みてらんなかったら拾ったんよと、言って頂きました笑
理由は何であれ、有り難い。
ご飯も頂き、本当に感謝です。
5日目には、京都に下宿を構えた友達のアパートへ向かいます。
このアパートに向かう前、琵琶湖を走っているときに、
あまりの暑さ、そして蓄積した疲労感からか、唇が痙攣しました。
これは絶対に休まないとヤバいという、
ある種の信号が、体から出ました。
思い切って2時間、琵琶湖の木陰に横になって、
風を感じながら、寝っ転がりました。
その判断が本当に良かった。
この日は50キロくらいしか走らなかったですね。
中休みを入れる、大切さを感じた、一日になります。
6日目には京都を抜けて、ひたすら国道9号線を走ります。
この国道は、私の地元にまで繋がっているので、
とうとう旅も佳境に入ったなと、実感しました。
ほとんど車が走っていない峠を、
いくつも超えて、孤独な旅を粛々とこなしていきます。
そして人生初の野宿。
でも何とも思わなかったですね笑
とにかく疲れたんだから、さっさと寝っ転がって寝たいと笑
野宿をした経験で、
肉体的にも精神的にも、旅前とは明らかに違う、
成長したカンカクを得ることが出来ました。
7日目には、京都の山中から、鳥取砂丘までひたすら漕ぎました。
そして砂丘近くの駐車場に、寝袋を持って寝ている、1つ年上の旅人を発見。
その晩は彼と話をして、なぜ旅をするのか、話をしました。
人生で始めて、旅をしている人間との対話。
しかし、会話内容は、ほとんど覚えていません笑
そして、8日目に、
故郷の出雲市まで、彼と一緒に150キロ漕いで、
なんとか旅を終えることが出来ました。
真っ黒に日焼けして、本当にチャリ漕いで帰ってきた変なヤツに、
料理を作って、待ってくれてて有り難う!
実家に帰って、疲れがどっと出て、
それから1週間は、ただひたすら寝続けたのでした!
ご一読頂き有り難う御座いました!
次回は、大学2年生
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