大学を卒業し、
東京郊外の多摩市から、文京区に引越しました。
大塚の青葉荘(仮)という、
風呂なしの木造アパートに住み始め、
新生活がスタートしました。
スッテンテンから商売人を志す者として、
ココが最も相応しいと思ったんですよね笑
風呂なしアパートというと、
何だか悪いイメージが浮かびそうですが、
内外装はとっても清潔でした。
さらに角部屋で、2面採光だったので、
日当たりも風通しも良く、
田舎にある民宿の一室のような雰囲気でした。
僕の大好きな、銭湯も近くに4つもありましたから、
毎日大浴場に入れると思うと、幸せでしたね。
ここを拠点に、お江戸での生活が約2年間、始まることになります。
進路を全く決めずに卒業した僕は、
とりあえず職探しからスタートしました。
とにかく歩合で稼げる営業ってヤツを、やってみようかなと。
求人誌に募集があった、
通信系の商材を扱う営業会社に、面接に行くことになります。
そこで当時社長として雇われていた、
田口さん(仮)と出逢うことになります。
最初の印象はというと、
田口社長の目が吊り上がっていて、
柄の悪いYシャツを身にまとっている。
うわー怖そうだなと笑
20-30人ほどいらっしゃる社内の熱気も、
凄まじいモノで、圧倒されましたが、
やっぱりこういうところ、自分大好きなんだなと思います笑
即日入社が決まり、初出社をすると、
まず朝礼が始まりました。
朝9時から大音量で音楽を流し、
田口社長が、
腹の底から声を出して、
緊張感のある朝礼が始まる。
そのキレのある、流れるような朝礼の仕切りを、
初めて観たとき、
この人はただ者じゃないなと感じていました。
とにかくシゴトを頑張って、結果を出さなきゃと、
東京中の街を歩き倒して、必死こいて、シゴトをしていました。
ここで出逢ったメンバーが何というか、
野武士みたいな人ばっかりでして笑
高卒の方が多かったんですが、
とにかく学歴や職歴を気にして、
コンプレックスを持ったりする方が、全くいなかったんです。
それが凄く居心地が良かったですね。
大学時代に、
そんなことで周りを気にしたり、
自己嫌悪に陥ったりするような奴等を、
散々観てきてましたから。
もうそんなもんは、人間関係も含めて、
僕は卒業と同時に、ぶん投げて捨てたようなもんでしたから。
ちなみにその会社で、
営業がダントツで出来た野武士は、
沖縄のニンゲンだったんです。
最初はめちゃめちゃ仲が悪く笑
お互い譲らない性格だったんで、バチバチになっていたんです。
しかし、ひょんな事がきっかけで、
僕が本音を見せだしたときから、
一気に仲が良くなってしまい笑
今でもたまに会うような関係になっております。
そのニンゲンに関して言うと、
生い立ちが壮絶すぎて、ここでは書けません。
本人は普通だって言いますが、絶対違います笑
営業に関して言うと、コイツには、
何をどう頑張っても、絶対に勝てないと。
歩合の営業マンって、
体一つでのし上がっていく、プロボクサーのような世界でした。
その世界で、トップをやっていた彼も、
当然のように、その後独立し、圧倒的な結果を出しております。
この会社で、僕が勤める最期の日に、
グループ会社総勢100人近くを集めて、
顔合わせを兼ねた、パーティーがありました。
1次会が盛大に終わり、
2次会の会場に移動し、カラオケが始まると、
田口社長から
「Hisaya、公園で、チャーハンでも食えへんか?」
と声をかけて頂きました。
もうひとりの先輩を連れて、会社近くの公園で、
1次会の打ち上げを、3人でひっそり行いました。
そこで、田口社長の生い立ちを、初めて聞くことになります。
本人のプライベートな事なので、
ここではちょっと公表できませんが、
田舎でのほほんと生まれてきた、
僕の生い立ちとは明らかに違うものでした。
22歳の僕にとって、それは壮絶なものに見えましたね。
テレビ番組の制作会社で働いて、
血のにじむようなシゴトをしていたハナシ。
近い将来、自分で会社をやってみたいから、
今はココで頑張っているんだと。
いつも強気で、絶対に本音も弱音も吐かない田口さんから、
本音が聞くことが出来た瞬間でした。
あの厳しい田口さんの、背景が聞けて、凄く嬉しかったですね。
僕のことを、ちょっとだけ認めてもらった感じがしたというか。
最期の日に、公園で泣きそうになりました。
ちなみに田口さんはじめ、
この会社を引っ張っていった方々は皆、
それぞれ会社をつくったり、
大きな企業で、マネージャークラスのお仕事をされています。
本当あの会社は、
体は辛かったけど、本当楽しかったなと、
昔を懐かしんでおります。
そして出来ることならもう一度、田口さんの、
あのキレのある朝礼が受けてみたいと思う、今日この頃です。
そんなこんなで、その後のし上がっていく、
野武士達の集う世界から離れ、
ロシアで労働をする日々が、1年近く始まります。
ご一読頂き有り難う御座いました!
次回は、
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