2002年10月
日本一周バイクの旅を無事に終えて、
東京に戻り、
再び学び舎に通う日々が始まりました。
大学2年生の秋学期から、
いよいよゼミナール(以下ゼミ)が始まります。
ゼミとは、
特定の専門分野を、教授1名に対して学生15名ほどで学ぶ、
少人数制の授業形式のことを指します。
通常の講義の様に、
先生の話を、90分間ひたすら聞いている訳ではありません。
私が選んだゼミは、
商売の企画書、所謂ビジネスプランを、
経営コンサルタントの先生の前で発表し、
やりとりをするという内容でした。
当時放送していたテレビ番組
「マネーの虎」のような、
起業家予備軍が、
投資家の前で発表をする構図によく似ています。
このゼミが、大学における、地獄の始まりになります笑
担当して頂いた北矢行男先生は、
日本能率協会出身の、
その道40年以上のキャリアを持つ、
気鋭の経営コンサルタントの方でした。
初めて出逢った時の印象は、
先生って探偵のような方だなと。
毎日の日常の中に起こる、
ちょっとした問題や困りごとを、
機会として捉え、
それを解決できる商いを、
論理的な組み立てのもと、瞬時に創造していく。
それはもう芸術のような技でした。
名探偵のようでもあり、
事業創造の脚本家としてのシゴト人が、
自分の目の前で、超早口で、毎週戦略会議を行っている。
自分はその場に居合わせている、
物凄い貴重な実体験でした。
とはいうものの当初は、
先生のあまりの頭の回転の早さに基づく、
あまりの早口っぷりに、
何を喋っているのか、
ほとんど聞き取れなかったんです笑
それでも何とか食らいついていこうと、
高校の数学を学んでいた時よろしく、
必死になってメモりました。
毎週、先生のコトバを一語一句、
紙に走り書きでメモをして、
自分の脳に刻んでいました。
初めてのゼミで、初めて先生に、
おっしゃって頂いたコトバを、今でも覚えています。
「論理的に組み立てていくことを、
しっかり覚えたら、年齢も学歴も関係ない」
というアドバイスでした。
そのコトバを受け取ったときに、多摩大学の真骨頂
「事業創造のための実践的な学び」
が本格的に始まったなと、ぞくぞくしました。
それから、1年半の時間をかけて、
事業創造に伴う、
論理的かつ創造的なやりとりを、
同期15名で行うことになります。
まあ大学生が考えて持ってくるプランなんて、
大したプランなわけないんですが。
先生は本気になって叱るわけです。
論理的に組み立てられていないと、
ざーっとまくしたてて、
毎週毎週ずーっと叱るわけです笑
良薬は口に苦しとはよく申しますが、
本当に嫌な先生に見えましたね笑
そんな先生と、4年生の前期に、
一対一で進路面談をさせて頂いたんです。
その時期は、空手をやめて、
タイに旅に行って、自分を止観して、
大分スッキリして、
自分のこれからと、静かにしっかり向き合っていたときでした。
先生と1時間ほど、お話をさせて頂いて、
今でもしっかり覚えているアドバイスがあります。
「とにかくお前は現場で鍛えられてなんぼだ!
物書きは下手くそなんだから、現場に行け!」と仰って頂きました。
先生の塾に入ってから、それまでの1年半、
自分のことを観て頂いた観点から、
論理的に、かつ若干ミソクソに言って頂きました笑
そうだ、思い出したよ。
俺は、
大企業で出世する道を選ぶわけではなく、
レポートを書く研究者を目指していたわけではなく、
地を這うような商売人になりたいと、決めていたということを。
その思い一心で、上京して、
今までいろんな事を学んできたんだと。
先生との対話で、久々に初心を思い返しました。
北矢先生については、
感謝しきれないほどの知恵と勇気と志を頂き、
無事、大学を卒業することになりました。
今は先生は、教壇には立ってらっしゃらないようです。
先生が大学院に復帰したら、
そこで是非、もう一度学ばさせて頂きたいなと、切に思っております。
北矢先生、しょうもない自分を、
しっかり鍛えて頂き、本当に有り難う御座いました!
ご一読頂き有り難う御座いました!
次回は、
Be First to Comment